契約後にトラブル発生…違約金について解説!
不動産購入を検討されている方が気に入った物件を見つけ、売買契約をした後に何かしらの事情で「契約を解除したい…」といった事態になった場合、どのような事が起こるかご存じでしょうか?
売買契約後に契約を解除する場合にはペナルティとしていわゆる違約金を支払う義務が定められる場合があります。今回は、そんな違約金に関する事をお伝えさせていただきます。
違約金とは
不動産の売買契約では契約時に定めたお互いの約束事を守らなかった場合には、一定額の金額を支払わなければならないと定められています。その定められた一定金額を「違約金」と言います。
なぜ違約金を定めるのか
そもそもなぜ違約金をさだめるのでしょうか?その理由をご説明させていただきます。
売買契約では、物件を売りたい「売主」と、物件を買いたい「買主」が、「売主は決められた期日までに物件を引き渡す」、「買主は決められた期日までに売買代金を支払う」といったそれぞれの約束事を定めるのですが、もしどちらかが約束事を守らなかった場合、どちらか一方が困ることになります。
そのため、約束事に重みを持たせトラブルを防ぐために違約金を支払う義務を定めるのです。
違約金の設定方法
一般的に定められる違約金は物件の売買代金の20%です。そのため、売買契約した物件の売買代金が3000万円だった場合は、約束事を守らなかった側が600万円の違約金を支払わなければいけない・・・ということになります。
このように物件の売買代金にもよりますが違約金は非常に高額になる事を知っておきましょう。
違約金が発生しないケース
契約解除となった場合に必ず違約金がかかるわけではありません。かからないケースもあるので事例をご説明させていただきます。
ケース①
例の1つとして「売主」が引き渡す予定だった物件が火事で全損した場合。
こうなった場合には契約をペナルティ無しで契約を解除するという文言が契約書に記載されています。
【引用:不動産売買契約条項16条】
本物件の引渡し前に、天災地変その他売主又は買主のいずれの責めにも帰すことのできない事由によって、本物件が滅失し売主がこれを引き渡すことができなくなったときは、買主は売買代金の支払いを拒むことができ、売主又は買主はこの契約を解除することができる。
ケース②
「買主」が住宅購入の資金を住宅ローンで借入て支払う予定にしていたが何かしらの事情により借りることができず売買代金を支払えない場合です。
この場合には「融資特約」という特約が契約書に記載してあり融資未承認になった場合に、ぺナルティ無しで契約を解除できます。ただ、融資未承認の理由によっては認められない場合もあります。
【引用:不動産売買契約条項19条】
買主は、この契約の締結後すみやかに、標記の融資の申込手続きをしなければならない。
2.標記の融資未承認の場合の契約解除期限までに前項の融資の全部又は一部について承認を得られないとき、又、金融機関の審査中に同契約解除期限が経過した場合には、この契約は自動的に解除となる。
3.前項によってこの契約が解除された場合、売主は、受領済の金員を無利息で遅滞なく買主に返還しなければならない。
4.買主が第1項の融資の申込手続きを行わず、又は故意に融資の承認を妨げた場合は、第2項の規定は適用されないものとする。
売買契約書に記載されている内容をもとにどういった場合に違約金がかかり、どういった場合に違約金がかからないかを双方がしっかり理解しておくことが大切です。
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